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僕がお世話になっている散髪屋さんは僕が中学生の頃からお世話になっています。 だから、野球部に所属していた高校生活を除いてほとんど僕の髪型が変わっていないことも知っています。 「いつもくらいでええ?」と、聞かれ、 「うん」と答えると、いつもくらいの髪型ができあがるのです。 髪型のオーダーはこんなもんですが、散髪中はいろんな話をします。 特におっちゃんは隠さずに自分のことを話してくれます。 おっちゃんは四国から大阪に出てきて散髪の勉強をして、僕の実家の近くに店を構えました。家が近いということから僕もお世話になるようになりました。 僕が通い始めた中学の頃はおっちゃんの店にはいろんな人が助手としていました。中でも東南アジア系の女性が多かったと思います。「じゃぱゆきさん」という言葉がはやって日本に出稼ぎに来ている人を雇っていたように思います。なかなか日本語が通じず、タオル一枚洗わすのにも苦労していました。 それから、しばらく経って、僕が大学の頃、当時はバブル全盛期で「地上げ屋」が横行していた時期でした。おっちゃんの店もその対象になりました。 「今の店は気に入ってるけど、地主さんが売ってしまいはったから文句いわれへんわ。」 と、愚痴をこぼしていました。 それから、僕が大学を卒業し、おっちゃんは新しい店に移った頃、おっちゃんは待望の結婚をしました。前からずっと 「一生に一回でええから結婚してみたいわ」 と、言っていたので、おっちゃんは嬉しそうでした。 でも、3年くらい前でしょうか、おっちゃんは離婚しました。 おっちゃんが結婚した相手はクラブのホステスさんで、アジア人ではありますが、日本人ではありませんでした。最初の方はよかったそうですが、彼女がお金に厳しい人だったらしく、かなりしんどかったみたいです。離婚の話のときも彼女はおっちゃんのことよりも自分が日本にいられるかどうかばかり気にしていたそうです。おっちゃんは、 「もう結婚はええわ。」 と、僕の髪の毛をいじりながらいっていました。 そんな人生を歩んでいるおっちゃんですが、1年くらい前に告白されたことがすごく印象に残っています。 「俺なぁ、にいちゃん(僕です)見てたらなぁ、ホッとすんねん。にいちゃんなぁ、人生うまいこといってないやろ。野球部ではレギュラーなられへんし、大学受験は失敗するし、資格試験もあかんかったし、いまだに彼女もおらんもんなぁ。にいちゃん見てたら俺の人生も捨てたもんやないなぁと思うねん。にいちゃん見てたらホッとすんねん。」 おっちゃんが本当に嬉しそうに言っていたので『ひどいこと言うなぁ』と腹を立てるのを通り越して、一緒に笑って、「そうですねぇ」と相槌をうちました。 もちろん、僕はこれからもおっちゃんの店に通い続けると思います。 ※写真はイメージです。 <使用機材> Nikon Coolpix S8
by toyo5014
| 2007-07-17 22:42
| 小噺
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